電気通信工事と言われる、携帯電話の基地局工事にはどんな工具が必要なの?
このような疑問に、携帯電話の基地局工事に10年携わった筆者が、必要かつおすすめの商品をお答えします。
現在使っている、もしくは店頭で見て触って、気に入った商品があれば、ネットで調べて買った方が安いことが多いのでおすすめです!比較してみると、Amazonが安いことが多くて意外でした。楽天経済圏の方はポイントも貯まりやすい楽天市場で買うのもありですね♪
細かいものから大きなものまで、携帯電話の基地局工事(電気通信工事)で必要な工具・道具をおすすめで便利なものを紹介します♪
手工具
手工具とは、電動力を持たない、人が手に持って、人力で作業を行う工具の総称を指します。主に、腰道具に入れて持ち歩けるような工具ですね。
ケーブルストリッパー
【適合電線は0.5~5.5sq】
CV、IVの被覆を向くときにとても便利です。むしろ、無いととても困ります(笑)
電工ナイフ
電工ナイフの使用頻度はかなり高いです。
腰道具にケースを取り付けれるものだとサッと取り出せます♪
半分に折りたためる物もあるのでこちらもおすすめです。
ニッパー
基地局工事ではニッパーを使う頻度は高いです。また、既設のケーブルは、黒紐(クレモナ)、デルテックなど結束材は強固に捕縛されており、簡単に切ることはできません。
①軽めの力で切れる
②断面がツラで切れること(重要)
③落下防止が施せる
基地局工事で使用するニッパーの場合は、この上記3点は必須です。
ニッパーには、断面がツラで切れない刃が少し窪んだタイプもありますが、このタイプだとインシュロックやデルテックなどの結束材の余りを完全に切り落とすことができずに出っ張ってしまいます。ここに手の甲でも当たればけっこう痛いんですよ。嫌がる人は多いです。
インシュロックやデルテックなどの結束材は、余りを切り落とした断面がツラであることがとても重要です。
ペンチ
ペンチを要する作業でサイズが225mm以上であることがけっこう大事です。200mmと225mmでは、パワーが全然違いますよ。
プライヤー
G管やE管施工、ボックスコネクターを取り扱う時など。出番として頻度はやや低めですが、いざという時に無いとめっちゃ困るやつです。
ケーブルカッター
電動のケーブルカッターがあるに越したことはありませんが、荷物として場所を取るし重いです。38sqまでカットできれば無難なところでしょう。60sq以上は、手動工具では一苦労するので、電動工具に頼りましょう。
ドライバー
ドライバーは基本的に充電部での作業になる機会が多いので、絶縁されている工具を持っておきましょう。
プラスドライバー(大)
既設のボルトがガチガチに固くて上手く回らない時は、こいつを当ててケツをハンマーで叩けば回ります♪
精密ドライバー
精密ドライバーはマイナスの方が使う機会が多いです。
電源箱の電源線接続や、UDAケーブル接続など。
モンキー(小)
【20Dのコネクター作成】
基地局工事においては、36mmまで広がるモンキーが2丁必要となります。
20Dのコネクター作成に、36mmまで広がるモンキーを2丁使うためです。
モンキー(大)
【アンテナ交換・20Dコネクター作成】
①M16ボルトのナットを回す
②20Dコネクター作成
③落下防止を施せる
上記3点がモンキーに求められる条件です。そうなると、この商品で決まりです♪
ラチェットレンチ19×24
【アンテナ交換】
主要アンテナでは19と24のサイズのレンチが必要です。既設のアンテナを外すときはナットもガチガチに固まっているので、これぐらい持ち手が長いと楽に外せます♪
ラチェットレンチ17×19
鋼材を組み立てる時や、フィーダーを固定具に取り付ける時がメインとなります。
ラチェットの先端の曲がっていると、設置物の水平を見るときや、番線を縛るのにも使いやすいですよ。
ラチェットレンチ8×10×12×13
至る所で使います。恐ろしいほど使います。無いと本当に困ります(笑)
筒ではない、平べったい商品もあります。普段使いとしてはこちらが好みです(笑)
水平器
架台、機器類、ボックスなど、あらゆるものを設置する際に使用します。高所でも使えるように、落下防止が施せる&小さめの商品がおすすめです♪
メジャー
まずは何を設置するにも寸法を測るのことから始まるので、職人にメジャーは必須アイテムです。
①伸ばしても折れにくい
②マグネット付
③0点補正(測定時の引っ掛け、押し当てに順応)
上記3点が、基地局工事で使用するメジャー選びのポイントです。
ノギス
アンカー打設の際に、振動ドリルで穴を開けた後、穿孔長や、穿孔径を測定するのに使用します。
これらの穿孔長や穿孔径は、写真を撮影して元請さんへ提出義務があることがほとんどです。昔と比べて最近は厳しくなりつつあります。
圧着工具
【適用サイズは1.25、2、5.5、8、14】
圧着工具の中では一番使うサイズの商品です。とても握りやすく、軽い力で圧着することができます。
電動工具
電動工具とは、電気を動力源として作業を行う工具の総称です。バッテリータイプと、コード式の2種類となります。基地局工事においては、使用箇所があちこちあるため、持ち運びやすいバッテリータイプが重宝されます。
ペン型インパクト
電気工事、電気通信工事の職人さんであれば誰もが持っています。
使用頻度は控えめに言ってMAXです。1年も使用しているとバッテリーがかなり弱くなってくるので、後日バッテリーのみで購入することが多いです。
ドリル・インパクト
盤加工、レースウェイ加工、鋼材、架台組み立てなど。
電動工具の中では使用頻度がかなり高いです。
ハンマードリル
携帯電話の基地局工事では、あと施工アンカーと言われるオールアンカーやALCアンカー、注入式アンカーボルトを施工することが多いです。穿孔(せんこう)するときに粉塵が出てしまいますが、集塵システムと併用すれば粉塵を清掃する手間が省けます。
電動圧着工具
60sq以上からは電動圧着工具が必要となります。新設工事、既設変更工事の際に電源線を新しく引き直すことは多く、現場によっては60sq以上の電源線を敷設します。
電動ケーブルカッター
電源線のカットや、撤去フィーダーをカットするときなどに便利です。
60sq以上の電源線もこのあたりで対応可能です。
グラインダ
業種、用途によっては「サンダー」とも呼ばれます。鋼材の加工時、既設物の撤去後など、あらゆる場面で研磨・研削・切断を要されます。
レシプロソー
CUBの解体、フィーダー撤去がある現場ではあると助かります。
撹拌機
FRP基礎を設置するときや、A種接地の際など、なにかとコンクリ―トやモルタル補修が必要となります。
アトラエース
H鋼など厚みのある鋼材の穴あけ加工に適しています。
発電機
毎日必要なわけではないですが、FRP設置や、既設のH鋼を加工するなど、要となる作業の時には100V電源の電動工具を使用することが多いので、発電機も必須となるでしょう。
コードリール
「延長コード」「ドラム」とも呼ばれることもあります。
コードリールがあれば発電機を遠くまで持っていく必要がなくなるので便利です。漏電遮断器付きを使用することを義務付けられている現場がほとんどですので購入の際は気を付けましょう。
油圧式パンチャー
油圧式ノックパンチャー。よく「ノックパン」と呼ばれます。盤加工で毎現場使うほど使用頻度は高いです。現場に持っていくのを忘れると、ボックスコネクター取り付け、配管敷設が終わらないのでかなり痛い目を食らいます(泣)
装着物
こちらでは現場で直接身にまとう装着物をご紹介します。
安全靴
携帯電話の基地局工事の職人におすすめの安全靴はこちらです。
「アシックスのハイカット」こちらでまず、間違いないです。
①防護性(重要)
②歩きやすさ
③疲労軽減
安全靴の選定においては、上記3点が求められます。屋外での携帯電話の基地局工事では、足元にケーブルラックや木の根っこなど至る所に障害物がありますので、足首まで守られるハイカットの商品を履くことをおすすめします。
屋内での工事では、とにかく歩きます。そんな屋内工事には、軽さが求められます。また、屋内工事が夜間になることも多いので、さりげなく反射材が付いているこちらの商品がおすすめです♪
腰道具
腰道具は職人さんの個性が一番でるところですね。使用頻度の高い手工具を使い勝手の良いようにカスタマイズができます。細かい各ホルダーやフックなど探しているとずっと見ていられるほど商品の数が多いです。
基地局工事では高所作業で使用することを加味すると、腰袋は広くて深いものがおすすめです。セットではなく、腰袋のみ、ホルダーのみで色んな種類が販売されているので、それぞれ好みでカスタマイズしていくのが楽しいですよ♪
落下防止紐
高所作業時に使用する工具には必ず落下防止を施さなければいけません。落下防止紐を購入する際は、フックの大きさに注意しましょう。落下防止を施したい工具に、取り付けれないこともあります。また耐荷重も気にしておきましょう。
フルハーネス
携帯電話の基地局工事において、高所作業でのフルハーネス着用は義務付けられています。
詳しくは厚生労働省公表の「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」をご覧ください。
ヘッドライト
屋内工事となると、照明が必要となります。
こちらの商品は、充電バッテリーでも電池でも使用できるのでとても便利です。また、調光も3段階機能し、遠くを照らす&手元を照らすこと、ともにバランスが取れている商品で筆者も気に入っています。
建設業は今、どこも人手不足ですので
需要があります!
まとめ
携帯電話の基地局工事、電気通信工事にて必要な工具をざっくりと全体的にご紹介しました。まだまだ載せたいものが出てきたら更新していきます♪
職人さんはみんな、自分で工具を新調し、色々な商品を試して自分に合ったものを見つけ出して個性を出していくのが通というものです。これがまた楽しいんですよね。無理せず、楽しい職人ライフを送りましょう♪
ではまた!ご安全に!
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