【電気通信工事】携帯電話の基地局工事とはどんな仕事内容?流れは?

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「携帯電話の基地局工事」「未経験OK!」

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だいたいネットで求人案内を見ていると、掲載している携帯電話の基地局工事のお給料の相場は、月収25~50万円、年収400~800万円ぐらいでしょうか。

二児パパ

中には月100万円という会社さんもありました!
すごいです。けっこう幅が広いという印象ですね!

明らかに専門知識や資格などが必要そうな文字を連ねているのに、未経験OKて本当かい?と疑いたくなります(笑)大丈夫です、そんな疑問も解決していきます。

この記事では、未経験から本工事に10年携わってきた筆者が、電気通信工事と言われる携帯電話の基地局工事とは一体どのようなお仕事なのか、またメリット・デメリットについてわかりやすくお答えします!

携帯電話の基地局工事は、我々の生活に欠かすことのできないインフラ事業です。まず未経験からの人は、現場での流れ、立ち回りに慣れることからスタートすることでしょう。これからの世代を担っていく若い人たちに向けて、また願いを込めながら職人目線で執筆しております。

携帯電話の基地局工事に興味がある人、そうでない人も、ぜひ最後までご覧ください!

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目次

携帯電話の基地局工事とは

携帯電話の基地局工事とは、私たちの生活に欠かせない携帯電話やスマートフォンによるモバイル通信を最適化し、また構築させるためのインフラ事業の通信工事です。

鉄塔、コンクリート柱、マンションの屋上、ビルの中、商業施設の中など、あらゆる場所に携帯電話の基地局が建てられています。普段の通勤路や通学路でも、意識しながら周りを見てみると基地局の鉄塔や、建物の屋上に設置してあるアンテナを確認することができます。

携帯電話の基地局工事の大まかな流れは、簡単に表すと下記のようになります。

基地局工事の全体像

【営業】

現地調査・置局交渉

【設計】

強度検討・図面作成

【着工】

建設工事・施工

【伝送】

回線開通

【インテグレーション】

電波発射

【営業】

まず初めに、どのエリアに新しく基地局が必要なのか、その中で基地局を設置できそうな土地や建物を探します。

基地局を設置したい土地や建物が見つかれば、持ち主・オーナー様へ基地局を設置したい旨を伝え、交渉に入るという流れです。

工期、家賃、電力。建物ならば住民さんやテナントへの影響、工事の際のクレーン設置など、交渉するにあたって引き合いに出すべき用件が多々あります。そのため、基地局工事について知見のある経験者でないと営業として勤めることは難しいと言えます。

【設計】

営業にて、オーナー様から承諾をいただくことができましたら、次は設計です。

基地局を現実的な施工方法で成り立たせるための指標となる図面を作成するため、とても大切な役割です。

例えば、マンションの屋上に基礎を打ち、機器類を設置したとしたら強度は足りるのか、また、どこに打てばいいのか。ドリルで穴を開けるなら何mmまでにおさめなければいけないのか。そのために建築図面から読み解くなどして細かい寸法を記載する必要があります。

基地局を成り立たせるために使う電源装置、電源線のサイズ、ブレーカー、使用する配管、配管の固定方法、受電方法、回線取得方法など、現地調査を行い、施工の細部に渡り必要事項を記載する必要があります。

そして、そのすべてを多くはCADと呼ばれるソフトで作図を行っていきます。そのため、実際の工事の経験者で、強度・電力の計算までできて、CADで作図ができる人でないと、基地局工事の設計は勤めることは極めて困難です。

【着工】

設計が終わればいよいよ着工可能となります。

事前に工事担当者・現場責任者は密に連絡を取り合う必要があります。

実際の工期や予備日、ビルやマンションでの工事になると、搬入にはレッカーを使用するのかしないのか。吊り荷の重さ、建物に対して選定するレッカーを性能表から読み解く必要もあります。レッカーで搬入を行う際の多くはその敷地、駐車場を使うことになります。駐車場を使うにも、住民さんたちの車の出入りがその間できなくなるので事前の周知が必要となります。

また、工事ができる時間帯、エレベーターは使用していいのか、工事車両はどこに停めていいのか、トイレの使用や喫煙の可否、先方様(オーナー様)とも着工前の打ち合わせで細かく話しておくことで、工事中の疑問や負担が少なくなり、立ち止まりや思わぬクレームを避けられることに繋がります。

実際に工事を何事もなく平和に終わらせるには、細部に渡る密な打ち合わせ、段取りにより、遂行できるものです。

「段取り八部、仕事二部」と言われるのも合点がいきます。

未経験の方はここからスタート!

携帯電話の基地局工事の全体的なフローの中で、未経験の方は【着工】での職人さんからスタートすることがほとんどです。理由としては上記からも読み取れるように、営業や設計の仕事をするにも、まず現場での施工、工事に対する知識や経験がないと話にならないからです。まずは現場を3年と言ったところでしょう。

現場仕事自体が初めてだという方だと、最初は本当に何がなんだかサッパリわかりません!(笑)筆者も飲食業からの転職だったので、当時は苦労しました。おまけに周りはいかつい人だらけ。負けん気だけはあったのでなんとか乗り越えたという感じです。

と言いますか、どこの職人さんも最初はお互い探り探りで、上手く接することができないパターンが多いです。工期や予算も理解している職人さんたちは、素早く丁寧に施工するため、なかなか新入りの人に手取り足取り教えている時間をうまく作れないでいるのがリアルな現状です。

大丈夫です、安心してください。仕事に対する姿勢が認められたり、向上心があるなと見込まれれば、自然と仲良く接してくれます♪今思えば、先輩方には感謝するばかりです。

また、職人の世界では、必ず叱られます。そして、じっくり何回も教えてもらうこともままなりません。そのため、一度教えてもらったことは、もう二度と教えてもらわないというぐらいの覚悟で吸収することです。また、知恵や技術は見て盗むことができます。自分が成長するヒントは周りを見ればいくらでもあるということです。

とは言うものの、未経験の方は荷物運びや、片付けがメインとなることが多いです。少しづつ、先輩に教えてもらいながら頑張りましょう♪

【伝送】

工事が終わり、正しく施工がされていることを確認できたら、後日、新しく光回線を開通させる作業となります。

基地局工事を行った現場に行き、対象キャリアのサービスさんと連絡を取り合い、伝送装置のIPアドレスの読み合わせなどをして、該当の基地局と間違いないことを確認します。

少し時間がかかりますが、サービスさんの方で光回線の開通が終了し、基地局情報の確認が取れれば作業は終了となります。

【インテグレーション】

光回線の開通が終わり、基地局の情報を確認することができたら、あとは電波発射になります。

基地局に設置した機器へのデータ投入を行い、電波を発射します。

こちらは工事業者ではなく、別業者(インテグ班)で行われます。

基地局の保守・保全

電波発射までできれば、大枠として一旦手離れします。しかし、既存の基地局は数知れず。

無線機の故障や、鳥害による設備の腐食、災害による基地局の停止。このように思わぬ形で電波が止まってしまうことがあります。その対応をすることも基地局工事に携わる人へ、お仕事として流れてくることもよくあります。

また、山奥に立っている鉄塔局などは、しばらくすると草木でぼーぼーとなり、基地局に入ることさえ困難になることもしばしば。保守のお仕事として、草刈りということもあります。

年次点検、月次点検として各基地局を回るお仕事もあります。各機器類の数値はしかるべき値にあるか、その他異常はないか。鉄塔の点検も定期的に回るため、やはりインフラ事業だけあり、長い目を見ると仕事は絶えずあるという印象です。

未経験から実際に10年やってみて

未経験、飲食業から転職をして、携帯電話の基地局工事を10年に渡り携わってきました。

確実にわかることは、筆者の経験から申し上げますと、間違いなく未経験からの参入でも問題はないということです。

ベテランの方、先輩方たちはこの携帯電話の基地局工事について、仕事を覚えていくには時間がかかることを良く知っています。さらに、知識・経験としては、とても広く浅くが求められます。中には専門知識や技術、資格がないと携われない業務も多くあります。

未経験ということから、先輩たちは教え甲斐もあり、現場にも活気が出ます。反対に、少しだけ経験があると前職での色に染まっていることがあり、新しい職場で馴染みにくくなることが考えられます。このように、まっさらな未経験である方が良いこともあります。

次に、携帯電話の基地局工事に携わるメリット・デメリットをご紹介します。あくまで筆者の経験からの考察ですので、すべてがそうだとは限りませんことをご了承ください。

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メリット

携帯電話の基地局工事に携わるメリットはこちらです。

  • 手先が器用になる力が付く
  • 専門知識・技術が身に付く
  • 多くの資格取得を支援してもらえる
  • 若くから始めておけば雇用に困らない

手先が器用になる・力が付く

有資格者でなくてもできる作業はたくさんあります。鋼材の仮組み、ボルト締め、入線のフォロー、作業前の段取りなど、やればやるだけ手先が器用になります。壊れやすい機器類も扱いますので、物に対する繊細さや周囲への配慮も身付くことでしょう。

また、荷物運びをしたり重たいものを扱うことが多くあります。資格が必要な作業でもなく、経験がないとわからない作業でもないとなると、消去法で鋼材や機器類など重いものの荷物運びを割り当てられることが多く出てきます。知らないうちに体の使い方も身に付き、おのずと力も付いていきますよ。

新人と言われる半年~1年までの間に、あちこち着手して慣れておくべきです。ある程度時間が経って変なプライドみたいのが出てくると、知らないことや初めての作業について聞くに聞けなくなることもあります。もし、この症状に陥てしまったら気づいたタイミングで解決しておきましょう。この症状、意外と職人あるあるです。

職人の世界にマニュアルなど存在しません。知らないことが悪いことでも何でもありません。新人のうちにどんどん聞いて、どんどん経験していくことが早い成長に繋がります。

専門知識・技術が身に付く

普段の生活では絶対に見ることのないものばかりに触れるので、自然と専門的な知識が付いていくという感じです。

また、「携帯電話・スマートフォンが機能するための工事」がどのようなものかがわかります。レッカーを使用して搬入したり、鋼材を組んで機器を設置して、配管、入線、整線、端末作業。ドリルで穴を開けてアンカーボルトを施工したり、専用工具で電源線に端子を打って接続したり。自分たちで、一から基地局を作り上げていくのは面白いですよ♪

筆者としては、仕事の在り方、立ち回り方を学べたというのが一番大きかったと思います。

多くの資格取得を支援してもらえる

筆者が在籍していた会社で取得した資格はこちらです。ありがたいことに、たくさんの資格取得や教育を受けることができました。

10年で取得した資格
  • 第一級陸上特殊無線技士
  • 電気工事士2種
  • 玉掛け
  • 巻き上げ運転業務
  • ゴンドラ取り扱い業務
  • 足場組立等作業主任者
  • 高所作業車運転技能講習
  • 溶融亜鉛めっき高力ボルト
  • 小型移動式クレーン運転技能講習

他にも、トヨタ工場の現場に入るため全豊田作業責任者や、フルハーネス特別教育、職長教育など、現場に入るために必要なものです。携帯電話の基地局工事はこのように、屋内でも行うことも多くあります。

若くから始めておけば雇用に困らない

自身が得た知識や技術、経験は一生ものです。万が一、退職をすることになっても業界全体で人材不足、職人離れに拍車がかかっているのが現状です。早いうちにたくさんの経験を積んでおくことで、どこでも働ける人材になることができます。

建設業界では、安全、仕事、教育に対して、共通していることがものすごく多くあります。これからの人生、キャリアにおいて必ず生きてくることでしょう。

(経歴+資格)×やる気=どこでも行けます

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デメリット

携帯電話の基地局工事に携わるデメリットをお伝えします。

  • 職人の世界
  • 高所作業が存在する
  • 工事内容、状況によっては帰りが遅い
  • 作業内容にのしかかる責任はとても重い
  • 設備投資のピークアウト

職人の世界

「職人」に対して、皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか。

なんだか頑固でキツイ、怖そう、怒られそう…。このようなイメージを持っている方が多いと思います。

ご名答。まさにイメージ通りです。稀に、筆者のような優しい職人もいます♪

そして想像を超えた理不尽が降りかかることもあります。

『どうしてわからんのだ!自分で考えろ!』

こう言われた後に、

『おい!わからんなら聞けよ!』

…え、じゃあ、どうすればよかったの(笑)

また、同じことを聞いてもAさんとBさんの答えが違うのも当たり前。

こんな世界です(笑)

最初は根気が必要ですが、仕事を覚えて活躍できるようになれば、嘘かのように仲良くなれますよ♪

高所作業が存在する

携帯電話の基地局工事におけるアンテナというものは必ず高い場所に設置します。

土地局(鉄塔局)であれば、地上40mの高さにアンテナが設置されていることが多いです。マンションの屋上の現場(ビル局)ならそのマンションの高さ。屋内対策工事(インドア局)になると、天井取り付けや、天井裏の中に取り付けたり、身軽さも必要になります。

不慣れなうちは単純に「高さ」に対して恐怖感があります。慣れてきたころは「ミスによる墜落」に恐怖感を覚えます。

40mの高さまでアンテナを上げるには。

そこからボルト1本でも落としたら。

知恵と力、正確さとスピード感、すべてが必要とされます。

工事内容、状況によっては帰りが遅い

どの業界にも工期が存在します。工期に間に合わせるために残業をするしかないという状況になる可能性も、十分にあります。また、大きな問題を起こしてしまえば、元請けさんへ報告書を提出し、その後会議を開いて再発防止に向けてミーティングを行うなど、とにかく大変なことになります。

そして、携帯電話の基地局工事では、「切り替え作業」なるものがあります。

新しく電源取得箇所を増やすために、既設の電源設備に手を加えてブレーカーを交換、増設などを行います。その際に、切ってはいけない電線を切るなど、間違いを起こしてしまうとまずいです。確実に現状復旧をしなければいけないので、何が何でも対応しなければなりません。会社に材料を取りに戻ってまた現場に行くなんてことにもなってしまい、最終的に現場を出る時間が遅くなります。

もう一つ代表的なのが「アンテナ交換作業」です。

既設のアンテナを、新しいアンテナに交換する作業です。一時的にアンテナの電波を停めて交換作業に入るのですが、アンテナの割り当てを間違えて設置したり、フィーダーと呼ばれる給電線を挿す場所を間違えてしまうと、バレます(笑)確実にやり直しになりますので、一手一手、正確に作業を行うことが大事です。万が一、途中でアンテナ交換作業が上手くいかなくなってしまえば、取り外した既設のアンテナをまた設置し直して、原状復帰をしなければなりません。何がなんでも避けたい事案です。

作業内容にのしかかる責任はとても重い

前述しておりますように、電源線1本でも間違えて切ってしまうと取り返しのつかないことになります。まだ、自分たちだけの身内でどうにかなる範疇であれば可愛いものです。

光ケーブルを断線させたり、電源極性を間違えて機器類を壊してしまうと、基地局としてのサービスに影響を及ぼしてしまいます。

また、ビル局やマンションでの作業は第三者様との接触や、所有車に物をぶつけてしまう等、思わぬ形でトラブルに発展する可能性は大いにあります。

現場での作業だけではありません。基地局の鍵の紛失、図面の紛失、各機密情報の漏洩。起こりうる可能性はとても低いですが、これらを管理することも、携帯電話の基地局工事を携わるにあたってとても大切なことです。基地局の鍵を1つ紛失すると億単位のお金が動くと心得ておきましょう。事例があるそうです。

設備投資のピークアウト

10~15年ほど前までは工事の規模がまるで違いました。そもそも携帯電話普及の全盛期。新設の基地局も多く、業界の盛り上がりにならってどんぶり勘定。「ウハウハ」が最適な言葉です。

2024年以降は、各キャリア設備投資額が衰退していくようです。(※)

※ 参考にさせていただいた記事はこちらです。

あくまでも筆者の所感ではありますが、基地局数としてはもう十分、あとは既設局での切替工事がメインになっていくのかなという印象です。機器類もどんどん小型化していき、昔のような大規模な工事が不要になってきていること。半導体不足による資材の遅延、材料の高騰なども、背景の一つとしてあるのではないでしょうか。

結果として、業界全体の工事件数が大きく減ることはないと思いますが、1件当たりの単価は下がっていくのかなというイメージです。

まとめ

文章ばかりで少し分かりにくかったと思います。

未経験から携帯電話の基地局工事に飛び込むことは全然問題ありません。本人のやる気次第でどうにでもなります♪ある程度で能力の限界値に到達している先輩たちは意外と多くいます。追い越してやるぐらいの感覚で挑んでいきましょう♪

最後までお付き合いいただきましてありがとうございます!

ではまた!

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この記事を書いた人

30代、2児のパパ

パソコンの知識も経験もゼロの、まっさらな状態からブログを立ち上げました。

皆様にとって有益な記事を生み出すことに日々奮闘中です。虫取りや、ライフハック術、生活に関することをベースにお届けします。

現在は、建設業界での人材不足や職人離れの急速化を止めるべく、何かできないかと模索中です。需要はあるのに若い人材が定着できないことは非常事態です。中小企業の倒産が相次ぎ、雇用の均衡も崩れつつあります。

本ブログを通じて、少しでもお役に立てればと思います。
よろしくお願いします。

好きなこと:おでかけ、子供と虫取り、車

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